ちょっと差がつく百人一首講座/京都のおかき・あられ・おせんべい・和菓子処小倉山荘

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■水無瀬絵図にポインタを移動するとモノトーンの「合わせ言葉」が浮かび上がります。
■クリックすると「合わせ言葉」がカラーの水無瀬絵図の上に現れます。
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秋風に たなびく雲の 絶え間より もれいづる月の 影のさやけさ 天つ風 雲の通ひ路 ふきとぢよ 乙女の姿 しばしとどめむ 山川に 風のかけたる しがらみは 流れもあへぬ 紅葉なりけり み吉野の 山の秋風 さ夜ふけて ふるさと寒く 衣うつなり あらし吹く 三室の山の もみぢ葉は 竜田の川の 錦なりけり 吹くからに 秋の草木の しをるれば むべ山風を あらしといふらむ 花さそふ あらしの庭の 雪ならで ふりゆくものは わが身なりけり
天の原 ふりさけ見れば 春日なる 三笠の山に いでし月かも 大江山 いく野の道の 遠ければ まだふみも見ず 天の橋立 奥山に 紅葉ふみわけ 鳴く鹿の 声きく時ぞ 秋は悲しき みちのくの しのぶもぢずり 誰ゆゑに 乱れそめにし われならなくに ちはやぶる 神代もきかず 竜田川 からくれなゐに 水くくるとは 百敷や 古き軒端の しのぶにも なほあまりある むかしなりけり ひさかたの 光のどけき 春の日に しづこころなく 花の散るらむ
やすらはで 寝なましものを 小夜ふけて かたぶくまでの 月を見しかな かささぎの 渡せる橋に おく霜の 白きを見れば 夜ぞふけにける 心あてに 折らばや折らむ 初霜の 置きまどはせる 白菊の花 うかりける 人を初瀬の 山おろしよ はげしかれとは 祈らぬものを このたびは 幣もとりあへず 手向山 紅葉の錦 神のまにまに 君がため 春の野にいでて 若菜つむ わが衣手に 雪は降りつつ 花の色は うつりにけりな いたづらに わが身世にふる ながめせしまに
ほととぎす 鳴きつるかたを ながむれば ただ有明の 月ぞ残れる 世の中よ 道こそなけれ 思ひいる 山の奥にも 鹿ぞ鳴くなる 小倉山 峰のもみぢ葉 心あらば 今ひとたびの みゆきまたなむ 筑波嶺の 峰より落つる みなの川 恋ぞつもりて 淵となりぬる 滝の音は 絶えて久しく なりぬれど 名こそ流れて なほ聞えけれ 春過ぎて 夏来にけらし 白妙の 衣干すてふ 天の香具山 人はいさ 心も知らず ふるさとは 花ぞむかしの 香ににほひける
めぐり逢ひて 見しやそれとも わかぬ間に 雲がくれにし 夜半の月かげ 瀬をはやみ 岩にせかるる 滝川の われても末に 逢はむとぞ思ふ これやこの ゆくも帰るも 別れては しるもしらぬも 逢坂の関 田子の浦に うちいでてみれば 白妙の 富士の高嶺に 雪は降りつつ 夜をこめて 鳥のそら音は はかるとも よに逢坂の 関はゆるさじ 名にしおはば 逢坂山の さねかづら 人に知られで くるよしもがな もろともに あはれと思へ 山桜 花よりほかに 知る人もなし
朝ぼらけ 有明の月と 見るまでに 吉野の里に ふれる白雪 朝ぼらけ 宇治の川霧 たえだえに あらはれわたる 瀬々の網代木 風そよぐ ならの小川の 夕暮は みそぎぞ夏の しるしなりける さびしさに 宿を立ちいでて ながむれば いづくもおなじ 秋の夕暮 淡路島 かよふ千鳥の なく声に いく夜寝ざめぬ 須磨の関守 八重むぐら しげれる宿の さびしきに 人こそ見えね 秋は来にけり いにしへの 奈良の都の 八重ざくら けふ九重に にほひぬるかな
夏の夜は まだ宵ながら 明けぬるを 雲のいづこに 月やどるらむ わたの原 漕ぎいでてみれば 久方の 雲居にまがふ 沖つ白波 みかの原 わきて流るる いづみ川 いつみきとてか 恋しかるらむ わが庵は 都のたつみ しかぞすむ 世をうぢ山と 人はいふなり 住の江の 岸による波 よるさへや 夢のかよひ路 人目よくらむ 山里は 冬ぞさびしさ まさりける 人めも草も かれぬと思へば 高砂の 尾上の桜 咲きにけり 外山の霞 たたずもあらなむ
今こむと いひしばかりに 長月の 有明の月を まちいでつるかな わたの原 八十島かけて 漕ぎいでぬと 人には告げよ あまの釣舟 難波江の 芦のかりねの ひとよゆゑ みをつくしてや 恋ひわたるべき 難波潟 みぢかき芦の ふしの間も 逢はでこの世を 過ぐしてよとや 御垣守 衛士のたく火の 夜は燃え 昼は消えつつ 物をこそ思へ かくとだに えやは伊吹の さしも草 さしも知らじな 燃ゆる思ひを 誰をかも 知る人にせむ 高砂の 松もむかしの 友ならなくに
心にも あらでうき世に 長らへば 恋ひしかるべき 夜半の月かな 由良の戸を わたる舟人 梶をたえ ゆくへも知らぬ 恋の道かな 秋の田の かりほの庵の 苫をあらみ わが衣手は 露にぬれつつ 夕されば かど田のいな葉 おとづれて 芦のまろ屋に 秋風ぞふく むら雨の 露もまだ干ぬ 真木の葉に 霧たちのぼる 秋の夕暮 契りおきし させもが露を 命にて あはれことしの 秋もいぬめり 立ちわかれ いなばの山の 峰におふる まつとしきかば 今帰り来む
月みれば ちぢに物こそ かなしけれ わが身ひとつの 秋にはあらねど 世の中は つねにもがもな なぎさ漕ぐ あまの小舟の 綱手かなしも 見せばやな 雄島のあまの 袖だにも 濡れにぞぬれし 色はかはらず 音にきく 高師の浜の あだ波は かけじや袖の 濡れもこそすれ わが袖は 潮干に見えぬ 沖の石の 人こそ知らね かはくまもなし 契りきな かたみに袖を しぼりつつ 末の松山 波こさじとは 来ぬ人を まつほの浦の 夕凪に やくや藻塩の 身もこがれつつ






 百人一首は歌織物
 《秘められた水無瀬絵図》


◆不思議な歌織物

百人一首の百首の歌を、たて十種よこ十種の正方形のます目の中にある特殊な並べ方をすると、隣り合う歌どうしが上下左右ともに「合わせ言葉」によってぴったりと結びついてしまいます。定家は全知を駆使してこの条件に合う歌百首を集めたらしいのです。ほんとにすごい合わせ方、ジグソーパズルも真っ青なテクニックですね。定家は何のためにこんな事をしたんでしょう。

◆浮かび上がる水無瀬絵図
この百首の歌を並べた歌織物の右七列分は、右の画像のように自然の景色を読みこんだものと考えられます。その中の合わせ言葉や歌詞を絵に置き換えていくと、何とそこには新古今のふるさと水無瀬の里が浮かび上がります。水無瀬は京都の西南、長岡京の南に位置し都にほど近い景勝の地で後鳥羽上皇が水無瀬離宮を建てた地でもあります。浮かび上がる水無瀬絵図に定家の後鳥羽上皇に対する思いが感じられますね。

◆藤原定家の秘められた思い
承久の変が挫折し、後鳥羽院が隠岐に流されて水無瀬離宮は荒廃していきました。定家は引き立ててもらった恩人としての後鳥羽院に、密かに心をこめて百人一首を選定したのでしょう。歌織物と水無瀬絵図は、たぐいまれな和歌の才を生かした定家の秘められた思いを今日に存分に伝えているようですね。


《参考図書》 林直道著
「百人一首の秘密」:青木書店 
「百人一首の世界」:青木書店 
「芸術新潮」第三八巻三号:新潮社

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