ちょっと差がつく百人一首講座/京都のおかき・あられ・おせんべい・和菓子処小倉山荘

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【2002年10月5日配信】[No.076]
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 【今回の歌】

  秋風に たなびく雲の 絶え間より
   もれ出づる月の 影のさやけさ

         左京大夫顕輔(79番) 『新古今集』秋・413

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  10月といえば冴えた夜空に輝く月が美しい時期です。
  月見団子を三方に載せススキを飾る「お月見」をするご家庭は
 もう少ないかもしれませんが、ふと外出した夜の中天に丸く昇っ
 た満月を眺めて、秋の実感を深めるのも良いでしょう。
  
  今年の「中秋の名月」は9月21日。旧暦の8月15日の満月を鑑
 賞する行事です。例年より早いため、つい見逃してしまった方も
 いるでしょうが、次の満月である10月21日に、秋の月の美しさを
 堪能してはいかがでしょう。
  今回は秋の月を描いた一首です。
  
■□■ 現代語訳 ■□■
  
  秋風に吹かれて横に長くひき流れる雲の切れ目から、洩れてく
 る月の光の、澄みきった美しさといったらどうだろう!
 
■□■ ことば ■□■

 【秋風に たなびく】
  「に」は原因を示す格助詞です。動詞の連体形「たなびく」は
 「横に長くひく」という意味で、「秋風に吹かれて、横長に伸び
 てただよう」という意味になります。
 【雲の絶え間より】
  「絶え間」は「とぎれたその間」という意味です。「より」は
 ここから、という起点を表す格助詞です。
 【もれ出づる月の 影のさやけさ】
 動詞「もれ出づる」は「もれ出づ」の連体形で、「こぼれ射して
 くる」というような意味です。また「影」はこの場合「光」で、
 「月の影」は「月の光」を意味します。
 「さやけさ」は形容詞「さやけし」を名詞化したもので、「澄み
 わたってくっきりしていること」という意味になります。

■□■ 作者 ■□■

  左京大夫顕輔(さきょうのだいぶあきすけ。1090〜1155)
 本名・藤原顕輔(ふじわらのあきすけ)で、正三位左京太夫にま
 で昇進しました。勅撰和歌集の「詞華集」の撰者です。父は藤原
 顕季(あきすえ)で摂関家並みの勢いがあり、「六条藤家」とし
 て知られています。
  
■□■ 鑑賞 ■□■

  この歌は久安6年に崇徳院に捧げられた百首歌「久安百首」で
 披露されたものです。「百首歌」というのは、いくつかのお題に
 沿って詠んだ歌(題詠)を100首集めたもの。百人一首の中の崇
 徳院の歌(77番)も久安百首から取られています。
             ◆◇◆
  秋の澄みわたった夜空を足早に流れていく細い雲。その隙間か
 ら洩れてくる月光の美しさ。ダークブルーの夜の空が目に浮かぶ
 ようです。シンプルに秋の見どころを描ききっていて、しかも非
 常に格調が高い歌で、3代にわたる歌学の権威・六条藤家の主の
 実力が伺い知れます。
             ◆◇◆
  「中秋の名月」の中秋とは8月のことで、旧暦では7・8・9
 月を秋と定め、7月を「孟秋」、8月を「仲秋」、9月を「季秋」
 としたことからきています。ちなみに孟は「はじめ」という意味
 で季は「末」という意味を表します。
  元々は中国の「望月」という行事が日本に持ち込まれて貴族が
 祝うようになり、江戸時代に一般庶民にも広まったということ。
 ちょうど秋の収穫前に、豊作を祈願したものとも言われます。
             ◆◇◆
  名月を眺める「観月」の行事で名高いのは京都右京区の大覚寺
 でしょう。中秋の名月には「観月会」が開かれ、大沢の池に竜頭
 船が浮かべられて月を楽しみます。11月には菊の展覧会なども開
 催されます。
  電車で行かれる場合は、JR山陰本線嵯峨嵐山駅から歩いて15分
 になります。

 

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