ちょっと差がつく百人一首講座/京都のおかき・あられ・おせんべい・和菓子処小倉山荘

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【2002年9月30日配信】[No.075]
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 【今回の歌】

  夕(ゆふ)されば 門田(かどた)の稲葉(いなば) おとづれて
   芦のまろやに 秋風ぞ吹く

           大納言経信(71番) 『金葉集』秋・183

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  9月もいよいよ終わり。近所の小学校ではついこの間まで運動
 会の練習が行われていて、マーチや歓声で大にぎわいだったので
 すが、23日を過ぎて本当に静かになりました。
  今は校舎の周りを体操着姿の生徒が走り回っています。冬のは
 じめに行われるマラソン大会の練習でしょうか。
  街では半袖が徐々に少なくなってきました。秋風は相変わらず
 爽やかですが、少々肌寒さも感じるこの頃ですね。
  今回は、そんな秋風が爽やかに吹き渡る一首をお届けします。
  
■□■ 現代語訳 ■□■
  
  夕方になると、家の門前にある田んぼの稲の葉にさわさわと音
 をたてさせ、芦葺きのこの山荘に秋風が吹き渡ってきた。
 
■□■ ことば ■□■

 【夕(ゆふ)されば】
 「され」は動詞「さる」の已然形で「移り変わる」というような
 意味になります。「ば」は接続助詞で確定を表し、全体で「夕方
 になると」という意味になります。
 【門田(かどた)の稲葉】
 「門田」は門の真ん前の田圃のこと。家に近くて仕事がしやすく
 一番大事にされました。
 【おとづれて】
 動詞「おとづる」は「訪れる」という意味もありますが、元々は
 「声や音を立てる」という意味で、そちらが使われています。
 【芦のまろや】
 「屋根が芦葺きの、粗末な仮住まいの小屋」という意味ですが、
 源師賢の別荘のことを言っています。
 【秋風ぞ吹く】
 「ぞ」は強意の係助詞で、「秋風が吹き渡ってくる」という意味
 です。

■□■ 作者 ■□■

  源経信(みなもとのつねのぶ。1016〜1097)
 正二位大納言にまで昇進したので、大納言経信とも呼ばれます。
 民部卿・源道方(みちかた)の息子で、詩歌や管弦(楽器の演奏)
 が得意で、朝廷の礼式や作法などの「有職(ゆうそく)」に関し
 て深い知識を持っていました。
  
■□■ 鑑賞 ■□■

  この歌は、源師賢が所有する梅津(現在の京都市右京区梅津)
 の山荘に貴族たちが招かれた時に行われた歌会で披露されたもの
 です。あらかじめ「田家ノ秋風」というテーマが決まっていて、
 それに合わせた歌が詠み競われました。
             ◆◇◆
  夕方になると、門の前の稲穂がそよいで爽やかな音をたてて秋
 の風が吹いてくる。その爽やかさを歌ったすずやかな一首だと言
 えます。まだ暑さの残る日中に読むとつい爽快な気分になれそう
 な、美しい叙景の歌です。田舎の稲穂が実る光景は現代人の憧れ
 ですが、平安時代も貴族らは別荘を建設して美しい田園風景に遊
 び、ひとときの楽しみとしたのでしょう。
             ◆◇◆
  この歌が詠まれた平安時代の中期には、貴族らはこぞって田舎
 に別荘を建設し、リゾートとしてさかんに遊びに行きました。イ
 ギリスの田園趣味のようなもので、経信がこの歌を詠んだ梅津の
 山荘もそうして建てられたものです。
  現在の梅津には、梅宮大社などが観光スポットとして有名です。
 JR京都駅から市バス28もしくは71系統に乗り、「梅之宮神社前」
 で下車すると到着します。
  梅宮大社は酒造りと安産の神として有名。広い庭園もあり、散
 策も楽しめます。10〜11月には紅葉とツツジが見頃です。

 

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