ちょっと差がつく百人一首講座/京都のおかき・あられ・おせんべい・和菓子処小倉山荘

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【2001年2月28日配信】[No.017]
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 【今回の歌】

   しのぶれど 色に出でにけり わが恋(こひ)は
     ものや思ふと 人の問ふまで

           平兼盛(40番) 『拾遺集』恋一・622

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  昔に比べればかなりフランクになった恋愛ですが、やはり今で
 も男女の心の機微は同じ。恋をしてもなかなかそれを口に出して
 言えない。ナイーブな恋心を歌った有名な歌を紹介しましょう。

 
■□■ 現代語訳 ■□■
  心に秘めてきたけれど、顔や表情に出てしまっていたようだ。
 私の恋は、「恋の想いごとでもしているのですか?」と、人に尋
 ねられるほどになって。
 
■□■ ことば ■□■
 【しのぶれど】
 「しのぶ」は「こらえる」を意味します。人に知られないよう心
 に秘めてきたけど、の意味です。
 【色に出でにけり】
 「色」は表情のことで、「色に出づ」で恋愛感情が顔つきに出る
 ことを示しています。
 「けり」は感動の助動詞で、人に言われてはじめて気が付いたこ
 とを表しています。
 【ものや思ふ】
 「もの思ふ」は恋について想いわずらうことを意味しており、ま
 た「や」は疑問の係助詞です。
 【人の問うまで】
 他人が尋ねるほどに、の意味です。ものや思ふ、に繋がる上下の
 句が逆さまの「倒置法」を使っています。

■□■ 作者 ■□■
  平兼盛(たいらのかねもり。?〜990)
  光孝天皇のひ孫・篤行王の3男で、臣籍に下って平氏を名乗り
 従五位上・駿河守となった。後撰集の頃の代表的歌人。赤染衛門
 の父という説もある。三十六歌仙の一人。

■□■ 鑑賞 ■□■
  恋心というのは微妙なもので、ポーカーフェイスをきどってい
 ても、恋する人に出会ったり、もの想いにふけっていたりすると
 他人は敏感に気付いてしまうようです。
 「何か物思いにふけってらっしゃるようですね。ひょっとして恋
 でもされましたかな?」
  他人にそう問い掛けられて、はっと自分の恋心に気付くなんて
 経験はないでしょうか。
  何か若々しい恋心が、この歌からは感じられるようです。
             ◆◇◆
 「拾遺集」の詞書では、この歌は960年に村上天皇が開いた「天暦
 御時歌合(てんりゃくのおほんときのうたあわせ)」で詠まれた
 とされています。ここでは、「忍ぶ恋」の題で同じく百人一首に
 収載されている壬生忠見(みぶのただみ)の「恋すてふ」の歌と
 優劣を競い合いました。しかしこの2首は、どちらも甲乙つけがた
 い名歌だったため、判定に困ってしまったのですが、天皇がこち
 らの歌を口ずさんだことで勝ちとなったという有名な話がありま
 す。
             ◆◇◆
  この歌には地名が入っていませんが、現在重要文化財に指定さ
 れている平兼盛像が、箱根のMOA美術館に展示されています。JRの
 熱海駅から4番MOA美術館行きに乗車すれば到着です。開館時間は
 9:30〜17:00までです。古典の趣きにひたるのに、歌人の姿絵に
 接してみるのも良いのではないでしょうか。

 

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