京都せんべいおかき専門店【長岡京小倉山荘】今昔物語集 宇治拾遺物語 古今著聞集 古本説話集 〜平安の物語〜

京都せんべいおかき専門店【長岡京小倉山荘】『平安の物語』バックナンバー一覧へ

 【平安の物語】平安のスター絶対絶命!!

  平安随一の天才。博識多才で知られる藤原公任(きんとう)は、
  和歌・漢詩・管弦・書など、何をやらせても天下一流。
  芸能人がいなかった当時、まぎれもなく「スター」的な存在でした。

  彼が若き近衛中将だったころ、2人の罪人を運ぶ列に出くわしました。
  1人は法師姿で、長年仕えたあるじを殺した重罪犯。
  公任は「ひどい奴だなぁ。厳罰は免れまいよ」と言うと、
  犯人は真っ赤な目に怒りをあらわし、ギロリと公任を睨み返しました。

  もう1人の罪人は、怪しい男に追われて逃げていたのを、
  不審者として連行された男。
  公任は「大した悪人ではあるまい。解き放ってやってほしい」と請い、
  男を逃がしてやりました。

  さてこの後、大赦があり、重罪犯の法師は思いがけず釈放されました。
  そんなある夜、公任が屋敷で月をながめていると、
  暗闇の中から怪しげな男たちがフッと湧いて出てきました。
  男らは公任をかつぎあげ、瞬く間に山深い場所へ連れ去ってしまいました。

  ◇男「ワシを覚えているか!貴様がひどい奴と申したあの法師よ。
        もう一人の罪人を助けながら、
        ワシを助けなかったあのときの恨みを、
        貴様の身を焼き殺して晴らしてくれようぞ!!」

  公任はまさに逆恨みのために火をくべられた柴の上にのせられ、
  燃えさかる炎の中で熱さにもだえ苦しみました。
  意識を失いかけたその時──。

  山の木々の奥から突如、無数の矢が放たれました。
  悪しき男たちは一人、また一人と倒れ、
  やがて散り散りになって逃げてゆきました。
  あたりが静まりかえると、暗がりの中から男が一人。

  ◆男「お怪我はございませんか?
        私は過日、あなた様に放免していただいた罪人でございます。
        いつかご恩に報いんとお屋敷のそばに侍っておりましたが、
        この度、かの法師どもが凶行におよびましたのを見て、
        急ぎお助けに参った次第でございます」

  こうして公任は、恩をかけた男に絶体絶命のピンチを救われました。
  しかし、これほどの危険に遭いながら、彼がこの話を人に語ったのは、
  ずいぶん歳をとってからのことだったと伝えられています。
  昔の「スター」も、イメージにきずがつくのを恐れたからでしょうか。

                                    脚色  江幡店長  出典『今昔物語集』

 

京都せんべいおかき専門店【長岡京小倉山荘】『平安の物語』バックナンバー一覧へ


せんべい,煎餅,おかき,あられ,おせんべい【長岡京小倉山荘】
京都せんべいおかき専門店【長岡京小倉山荘】TOPへ