京都せんべいおかき専門店【長岡京小倉山荘】今昔物語集 宇治拾遺物語 古今著聞集 古本説話集 〜平安の物語〜

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 【平安の物語】盗人には盗人魂で!平安役人の不思議な危機管理?

  むかし阿蘇の某というずる賢い性格の男がいました。
  地位の低い役人のため、地価の高い左京にマイホームをもてず、
  当時治安が悪く人家もまばらだった西の京に住んでいました。

  ある日、宮中に参内し、夜更けて帰るときのこと。

  男は大宮大路を南へ車を走らせていましたが、なにを思ったか、
  突然着ていた装束をすべて脱ぎ、敷物の下に置いて、
  冠と足袋だけを身につけただけの素っ裸のなりで車中に座りなおしました。

  そうして二条大路を西へ走らせ、美福門を通りすぎたころ、
  突如、大勢の足音がものすごい勢いで近づいてきました。
  車の前後にひかえていた従者たちは「盗賊だ!!」と言うが早いか、
  一目散に逃げ去ってしまい、車中の男だけが一人取り残されてしまいました。

  盗賊のひとりが車のすだれをあげました。
  次の瞬間、その盗人の眉間に深い皺が寄りました。

  ◇盗人「おぬし、なにをしておるのじゃ?
          なにゆえ裸で座っておるのじゃ!?」

  ◆男  「東の大宮大路であなたがたのような方々が現れ、
          装束をすべて召し上げられてしまいましたのでございます」

  男は貴人に申し上げるように、笏(しゃく)を持ってうやうやしく答えました。
  盗賊たちはかしこまって言う男の様のおかしさにみな吹き出してしまい、
  結局何も盗らずに笑いながら去ってゆきました。

  男は無事家に帰り着き、さっそく妻にこのことを話しました。
  すると妻は──。

  ■妻  「盗賊以上のずる賢さでうまく切り抜けましたね!」

  と夫を讃えましたが、
  「その知恵でもう少し出世してもらえれば、安全な左京に住めるのに」
  という言葉は押し殺し、得意げな夫を笑って見守るばかりでした。

                                    脚色  江幡店長  出典『今昔物語集』

 

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