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 【平安の物語】最高権力者・基経の命を救った僧の秘術とは?

  『堀川大臣(ほりかわのおとど)』と呼ばれた平安時代初期の最高権力者、
  藤原基経(もとつね)が重い病をわずらったときのこと、
  世の高名な僧という僧がことごとく基経の屋敷に召し出され、
  連日病気平癒の祈祷をさせたため、屋敷じゅう大騒ぎでした。

  ところが京都山科の極楽寺には、基経自身が造営した寺にもかかわらず、
  僧が屋敷に召されるどころか、お寺での祈祷の命令すら届きませんでした。

  ◆寺の僧「われわれがこの極楽寺に住まい、安心して仏道に励めるのは
            すべて堀川の殿のおかげじゃ。
            召されずともこちらから出向いて参ろうぞ!!」

  極楽寺の僧の一人はそう言って、基経の屋敷へ行きました。
  屋敷では、寝殿に名だたる高僧が居並んで昼夜祈祷をしています。
  それをはばかり、はるばる山科から出向いてきた名も無き僧は、
  ひそかに外の門のあたりに座ってひたすら仁王経を読みつづけました。

  ◇基経「──極楽寺の僧が来ているであろう?」

  どれくらい経ったころでしょうか。
  眠りから覚めた基経が、ふと、そんな一言を漏らしました。
  周りにいた家人たちは怪訝な目を見合わせながら、

  □家人「は、はい。たしかに外の門のあたりに参っているようでございます。
          殿はずっとお眠りでしたのに、なぜそれをご存じなのでしょうか?」

  基経はそれには答えず、すぐにその僧を呼ぶよう命じました。
  寝殿のすみっこのほうに、僧が身をちいさくして現れると、
  青白い基経の頬にみるみる血の気が差し、病人とは思えぬ顔色になりました。

  ◇基経「おお、御坊よ!ようよう参られた!!この枕元へ参れ!!」

  高名な僧すら寝床までは近づけていないのに、
  基経が名もない極楽寺の僧を枕元へ呼び寄せたのを見て、
  家人も高僧たちもいっそうこの「招かれざる客」を怪しみました。

  ◇基経「つい今しがた、夢の中で地獄の鬼に責められているところを、
          見慣れぬ童が現れて杖で鬼を打ち払い、わしを救ってくれたのじゃ。
          童に『どうして助けてくれたのか?』と問うと、
          極楽寺の僧がわしの身を案じて屋敷の門で仁王経を読んでいるが、
          童はその僧のいちずな思いに打たれて現れた護神じゃと申した」

  エリート街道をまっすぐ昇り、ついに関白の地位まで昇りつめた
  最高権力者・藤原基経は、かつて誰にも下げたことのない頭を深々と垂れ、
  掌を合わせて僧を拝みました。

  ◇基経「御坊のおかげでわしの命は救われた。心から礼を言いたい。
          人の病を癒すものは法力の強さではなく、
          わしの身を思う気持ちの強さであったと、今はっきりと悟ったわ」

                                  脚色  江幡店長  出典『宇治拾遺物語』

 

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