京都せんべいおかき専門店【長岡京小倉山荘】今昔物語集 宇治拾遺物語 古今著聞集 古本説話集 〜平安の物語〜

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 【平安の物語】サムライの誇り。サムライの意地。

  むかし紀伊国に、坂上晴澄(はるずみ)という誇り高い武者がいました。
  所用があって都へ上った夜、みずから甲冑を着て、また郎党にも武装させ、
  まるで戦じたくのようにいかめしい姿で都大路を闊歩していました。

  盗人が多いと聞く夜の都大路。
  怪しい者がいればすぐさまねじ伏せてやろうと目を光らせる晴澄の前に、
  あでやかな衣装をまとった若い貴族たちが馬を連ねて通りかかりました。

  ◇貴族の先払いの者
    「摂関家のご子息一行がお通りであるぞ!
      お前たち、下馬して弓を置き、頭を伏せて道をゆずるべし!!」

  かつて高貴な人と交わりのない晴澄とその郎党たちは、
  初めてのことに驚いて、あわてて道のはしに座り込みました。
  顔が土につくほど伏せていると、急に何者かが頭を押さえつけてきました。

  ◆晴澄「な……、なにをなされます!?」

  わずかに首をあげて仰ぎ見ると、貴族の姿はどこにもありません。
  代わりに、甲冑姿の無数の男達が馬上より矢をつがえ、
  おのおの晴澄一党全員の首を狙っているのでした。

  ◇馬上の男「動くな。動けば射殺してくれようぞ」

  夜の闇にとけそうなほどの低い声に、晴澄はこのとき、
  はじめて貴族の一行そのものが盗人の謀略だっと悟ったのです。
  しかし、時すでに遅し──。

  晴澄一党は盗人一味に矢を向けられ、地面にうつぶして、
  無抵抗のまま馬も太刀も履き物も身ぐるみ奪われてしまったのでした。
  晴澄は無念そうに、血が出るほど唇を噛むしかありませんでした。

  ◆晴澄「殺されて身ぐるみ奪われるならまだしも、なんと無様なことか!
          相手が多勢とはいえ、一戦交えて散るのが武士の本懐であるに。
          それもこれもすべてはわしの不用意のせいじゃ……」

  翌朝、晴澄は郎党たちに向かってそう言ったきり、
  生涯二度と一党の先頭を、風を切って歩くことはありませんでした。
  それが誇り高きサムライ坂上晴澄の、「意地」だったのでしょう。

                                    脚色  江幡店長  出典『今昔物語集』

 

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