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 【平安の物語】涙こらえて16年!偉大な僧に偉大な母あり!!

  横川の源信僧都(げんしんそうず)といえば、平安時代きっての名僧です。
  後世の浄土信仰に絶大な影響を残したこの偉大な僧の生涯を決定づけたのは、
  同じく尼僧であった偉大な母の存在でした。

  生まれつき英才だった源信は、若くして都じゅうにその名が知れわたり、
  学僧の身ながら皇后に仏教を講義するという栄誉を賜りました。
  源信は田舎の母を喜ばせようと、得意になって便りをしたためましたが──。

  ◇母の返事「何を勘違いしているのです。母はお前を『高僧』と呼ばれる
              華やかな僧にしたくて出家させたのではありません。
              『聖(ひじり)』と敬われる人になってほしかったのです」

  喜んでくれると思った母から届いたのは、思いの外厳しい返事でした。
  目立たぬ生き方をしていても生き仏として敬われる「聖」こそ、
  母が望む理想の姿と心得よ、と便りは結ばれていました。

  以降、源信は比叡山の横川へ籠もって修行をはじめました。
  一度も山を下りずに過ごした7年目。母が恋しくなり思わず「会いたい」と
  手紙を出したときも、またも厳しい言葉が返ってきました。

  ◇母の返事「母に会えないくらいで気が弱くなるのは、
              修行が足りないしるしです。生き仏になれていない証です。
              今後も私がよいと言うまで、決して山を下りてはなりません」

  そうして源信はさらに9年、横川で修行を続けました。
  そんなある日、これまで感じたことがないほどの胸騒ぎがするので、
  源信は母の許しを得ずに突如山を下りました。

  「虫の知らせ」とはこのことでしょう。
  源信が郷里へ着くと、母はまさにいま、臨終の時を迎えていたのです。
  母は驚きと嬉しさとがない交ぜになった表情でわが子を迎えました。

  ◆源信「母上様、もう念仏はお唱えになりましたでしょうか?
          いまわの際に念仏を唱えれば極楽浄土へ生まれかわれましょう」

  ◇母  「母に会いたいとばかり申していたお前が、
          久方ぶりに会った母に仏の説教をするのですね。ほほほ……。
          もう念仏を唱える力もないゆえ、力を貸しておくれ」

  源信が念仏を唱えはじめると、母も最後の力で念仏を唱えだしました。
  滝の涙を流しながらすこしも声を乱すことのないわが子を、
  最後まで頼もしそうに眺めながら。

  母はやがて静かに息を引き取りました。
  その亡きがらは安らかな死に顔で、息子へむけてピタリと両手を合わせ、
  まるで仏の前で合掌しているようだったということです。

                                    脚色  江幡店長  出典『今昔物語集』

 

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