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 【平安の物語】恐るべし!!冥界の大臣からの恩返し

  百人一首歌人として知られる小野篁(おののたかむら)は、
  その直情的な性格ゆえ、かつてある事件で嵯峨天皇の逆鱗にふれ、
  隠岐に配流されたことがありました。

  その後篁は赦され、京に戻って重職につくことができましたが、
  配流中に天皇の怒りが解けるよういろいろととりなしをしてくれた
  大臣・藤原良相(よしみ)に対し、深い恩義を感じていました。

  そんなある日のこと、良相はにわかに重病にかかり、
  あっけなく亡くなってしまいました。
  罪深い身だったのか、彼はすぐに閻魔大王の前へ引き据えられました。

  次々と述べられる罪状を神妙な面持ちで聞きながら、
  良相がふと居並ぶ閻魔大王の臣下たちに目を移すと、
  思いがけず見覚えのある顔があります。──なんとあの小野篁でした。

  ◆ 篁 「大王様、この日本の大臣は生前、いくつかの罪を犯しましたが、
          正直者で他人のためによく働いた者でもございます。
          どうかこの度はお赦しを賜りたく」

  ◇大王「ほう、罪を償ってあまりある善行を行ったと?
          赦免は異例のことだが、他でもないお主が申すなら仕方あるまい。
          藤原良相よ、今一度人間界へ戻り善行を尽くす機会を与えようぞ」

  こうして良相は冥界から舞い戻り、蘇生したのでした。
  やがて良相の病は回復し、朝廷に出仕できるようになりました。
  ある日篁が一人でいるところを見計らい、良相はこう話しかけてみました。

  ○良相「篁どの、実は過日病を患った際、私は一度死んで地獄へ堕ち、
          貴殿に救われる夢を見ました」

  ◆ 篁 「良相どの、貴殿は私が隠岐へ配流された際、
          私のために尽力してくださったことを覚えておられましょうか。
          あの時の恩をお返ししただけでございますよ」

  篁はそう言ってにっこり笑いました。
  良相は空恐ろしくなり、返事もままならないまま引き上げました。
  篁が低い声で最後に言った一言がいつまでも耳から離れませんでした。

  ◆ 篁 「ただしこの度のこと、他言はご無用になさいませ」

  その後良相は、この話を決して他人に語ることはありませんでしたが、
  どこからともなく風の噂として流れ、現実に平安時代中期には、
  篁が冥界の臣だったとまことしやかに信じられていたということです。

                                    脚色  江幡店長  出典『今昔物語集』

 

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