京都せんべいおかき専門店【長岡京小倉山荘】今昔物語集 宇治拾遺物語 古今著聞集 古本説話集 〜平安の物語〜

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 【平安の物語】式神が見える!陰陽師安倍晴明に救われた命。

  むかし蔵人(くろうど)の少将が宮中に参内したとき、
  折しも空を飛んでいた烏が少将の頭にフンを落としてゆきました。
  少将は気づかないまま、颯爽と歩きつづけていきます。

  そこをたまたま通りかかったらしい男が一人。
  烏がフンを落とす瞬間を思いがけず見かけてしまいましたが、
  男の目がこのとき、ギラリ!と怪しい光を放ちました。

  男は、陰陽師・安倍晴明。
  天才と謳われるこの陰陽師は、
  音もたてず少将のそばに歩み寄ってこう言いました。

  ◆晴明「あなた様は今宵、必ずやお亡くなりになります」

  ◇少将「な……、なんだと?」

  ◆晴明「今あなた様の頭に烏がフンを落としましたが、その烏は、
          どこぞの陰陽師が遣わした悪しき『式神』に相違ございませぬ」
                       ※式神=陰陽師の命でさまざまな術を行う神

  ◇少将「なんと……、お……おぬしが申すなら間違いあるまい。
          頼む、なんとか命を助けてくれ!頼む!!」

  晴明は不憫に思い、少将の邸へともに引き下がりました。
  そして明け方まで一睡もせず少将をしっかりと抱きしめ、
  悪しき式神を祓う呪文と、報復する呪文を唱えつづけました。

  朝になり、陰陽師の某という者からの使いが来ました。
  彼は陰陽師からの伝言を高らかに読みあげました。

  「私としたことが、さる方のご依頼で式神を使い、
    あろうことか安倍晴明様に護られた方のお命を危うくいたしました。
    今、式神が戻ってきて私を殺そうとしています……無念」

  数日後──。

  ◇少将「例の陰陽師はやはり死んだそうじゃ。
          おぬしのおかげで私は命を長らえたわ!
          ところで陰陽師に式神を依頼をしたのは誰であろうか?」

  ◆晴明「身近においでになる方の中で、少将様より年配であるのに、
          出世で遅れをとっている方はおいでになりませぬか?」

  ◇少将「ま、まさか義兄上が──?」

  ◆晴明「私の目は、邪念をもった式神を鮮やかに見ることができます。
          が、どれほど悪しき式神よりも鮮やかに、
          人の世の醜さが見えてしまうことが辛いのですよ……」


                                  脚色  江幡店長  出典『宇治拾遺物語』

 

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