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 【平安の物語】道長ア然の陰陽師対決!!――安倍晴明vs道摩法師――

  むかし御堂関白(みどうかんぱく)と呼ばれた藤原道長(みちなが)が、
  白い愛犬をともなってみずから建立した法成寺(ほうじょうじ)へ
  毎日参っていたころのことです。

  ある日、いつものように牛車に乗って寺の門をくぐろうとすると、
  白犬が道長の行く手を塞ぐように車の前へ立ちはだかり、
  異常な声で吠え出しました。

  いつもはおとなしい愛犬が、なにゆえこのように吠えるのであろう?
  と、道長は車を降りて門を通ろうとしましたが、
  犬はあるじの裾をくわえて明らかに引き留めようとするのです。

  「や!これは何かあるに違いない!晴明を呼べ!すぐに晴明を!!」

  この異様な展開を予期していたのか、名を呼ばれた男は次の瞬間、
  もう道長のそばに影のように控えていました。
  白髪の老陰陽師・安倍晴明──。

  ▽道長「せ、晴明!犬がこのようにわしを止めるのじゃ!」

  ▼晴明「わたくしが占ってみましょう。……ふむ。
          どうやら君を呪い奉ろうとする物が地中に埋められておる様子。
          犬は神通力があるゆえ、それを君にお知らせしておるのです」

  晴明はそう答えると、すぐさま地面の一点を指差しました。
  そこを従者に掘らせてみると、案の定、
  怪しげな呪文を書き入れた土器が出てきました。

  ▼晴明「これは私しか知らぬはずの秘術。ただ一人知る者と言えば、
          かつて私の弟子であった道摩法師(蘆屋道満)のみ……。
          この白鷺がその不埒者の居場所を教えてくれましょう」

  と、晴明は懐から紙を取り出し、鳥の姿に折って呪文を唱えました。
  すると紙は白鷺となって空を飛翔し、道摩法師の家へ降り立ちました。
  白犬の神通力と晴明の秘術により、事はアッという間に露見したのです。

  ▽道長「道摩よ、誰に頼まれてこのようなしわざをいたしたのじゃ?」

  ◆道摩「藤原顕光(あきみつ)公のご依頼でございました……」

  ▽道長「顕光の老いぼれめが。権勢争いでわしに負けたのが
          よほど口惜しかったと見える。
          しかし道摩、お前に罪はない。生国に帰りおとなしくせよ」

  呪詛に手を貸したとあれば流罪と決まっているのに、
  道長は道摩法師の罪を問いませんでした。彼には、闇の秘術を用いる
  陰陽師の、仕返しを恐れる気持ちがあったのでしょう。

  もっとも、天下の実力者・藤原道長が真実恐れていた相手とは、
  権勢争いなどどこ吹く風というふうに、今も涼しい顔をして控えている、
  白髪の天才陰陽師であったことは言うまでもありません。


                                  脚色  江幡店長  出典『宇治拾遺物語』

 

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