京都せんべいおかき専門店【長岡京小倉山荘】今昔物語集 宇治拾遺物語 古今著聞集 古本説話集 〜平安の物語〜

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 【平安の物語】歌人の胆力にもののけもダウン!深夜の宮中・御燈油の怪!!

  平安時代も中ごろのこと。
  夜な夜な何者かが宮中の仁壽殿(じじゅうでん)へ忍び込み、
  御燈油(みあかしあぶら=灯火)を盗んでゆく事件が頻繁に起こっていました。

  場所は広大な皇居の一角。
  現代でも、夜の学校に怪談話がつきものであるように。
  また、昼間は人でにぎわう場所ほど、夜の静寂に底知れぬ恐怖が湧くように。

  人々の想念がうずまく平安時代の皇居は、
  日中のにぎやかさとはうらはらに、
  夜は一転して「物の怪(もののけ)」暗躍の舞台となっていたのです。

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  ◇醍醐天皇「許しがたいしわざよ。物の怪の正体を見極めたいものじゃ……」

  ◆源  公忠「わたくしめにお任せを!
              物の怪を捕まえることは難しいと思われますが、その正体を
              見届けるくらいならできましょう」
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  まさか、肝だめしのような役を進んで引き受ける者がいるとは、
  天皇自身も思っていませんでした。ところが意外なことに、
  和歌の名手・源公忠(みなもとのきんただ)が自らこの役を買って出たのです。

  ある長雨の夜。
  源公忠は真っ暗闇の中を、息をひそめて待つ人でした。

  [[[ずんっ、ずんっ]]]

  丑三つ時をすぎたころ、近づいてくる足音。
  地ひびきのような、重い足どり。
  足音は仁壽殿に入り、御燈油を手にして南殿のほうへ立ち去ろうとしました。

  声はすれども姿は見えず──。
  不思議なことに、灯火に照らされる「それ」の姿は見えず、
  灯火だけが宙に浮いたようにゆらゆら動いてゆくのです。

  公忠はこの時、物陰から颯爽と躍り出て、灯火をめがけて走りました。
  そして「えいやっ!!」と力のかぎり「それ」を蹴り上げました。
  はっきりとした手ごたえ――。

  次の瞬間、姿の見えない「それ」は
  はたと御燈油を床へ落とし、音もなく逃げ去っていったのでした。

  翌朝。
  公忠が昨夜の格闘の場所に戻ってみると、床に赤黒い血がしたたり落ち、
  南殿のひと部屋までつづいていました。

  その血をたどってゆくと、部屋の中には大量の血がこぼれていましたが、
  何者の姿もありません。公忠はついに物の怪の正体を明かすことは
  できなかったものの、以来二度と御燈油が盗まれることはなくなったのです。

  三十六歌仙の一人に数えられる源公忠。
  いかにも弱々しく思われる平安貴族の中にも、胆力にすぐれ、機知に富み、
  天皇の厚い信頼を勝ち得た人たちがいたのでした。


                                    脚色  江幡店長  出典『今昔物語集』

 

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