京都せんべいおかき専門店【長岡京小倉山荘】今昔物語集 宇治拾遺物語 古今著聞集 古本説話集 〜平安の物語〜

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 【平安の物語】死人の名誉を守った!!最高権力者も一目置く藤原実資の気骨!

  平安中期、円融天皇の御代に宮中で夕食会が催されたときのことです。
  殿上人たちがズラリと居並び、歓談して食事を楽しんでいる中で、
  藤原貞高(さだたか)という人が突然、顔をうつぶしてもがきはじめました。

  殿上人たちはまったく気づかず、あいかわらず夕食に興じていましたが、
  当時「頭中将(とうのちゅうじょう)」であった藤原実資(さねすけ)だけが
  ただ一人これに気づき、役人を呼んで調べさせました。

  ◇役人「たっ、大変です!!貞高様がお亡くなりになっております!!」

  貞高は食べ物を喉につまらせ、もがき苦しんでいたかと思うと、
  アッという間に死んでしまったのでした。
  宮中はにわかに大騒ぎになり、みな散り散りになって逃げてしまいました。

  しかし、実資だけは事態の収拾をはかるためにその場を
  動かず、役人を手足のように使って采配をふるいつづけたのです。

  ◇役人「貞高様の遺体をどちらの門からお出しすればよろしいでしょう?」

  ◆実資「東の門には誰もおらぬようじゃ。東の門へ急げ!!」

  ところが、役人が東の門へ向かおうとすると、
  殿上人をはじめ、話を聞きつけた女官や小役人までもが、
  見苦しい死に方をした貞高の遺体を一目見ようと東の門に集まってきました。

  ◆実資「ええいっ、人の死は見せ物ではないわ!!西じゃ!西の門より走れ!!」

  西の門へ向かうと案の定、野次馬は誰もいませんでした。
  実資のとっさの機転と見事な采配により、役人は誰の目にもさらされず、
  無事遺体を外へ運び出すことができたのでした。

  10日後――。
  実資の夢に貞高があらわれました。大粒の涙を流し手をすりあわせながら。

  ◇貞高「死に際の恥を隠してくださった貴殿の御恩を、
          世々にかけて忘れはいたしません。
          ありがとうございます、ありがとうございます……」

  無念の死への悔やみ。
  その死を笑いものにしようとした殿上人たちへの怨み。
  急逝した貞高にはさまざまな思いがあったことでしょう。

  しかし、夢にあらわれた彼は、
  実資の思いやりの深さにただただ涙するばかりの人でした。

  やがて藤原道長が権勢をふるう世がおとずれます。
  そのとき、権力者道長ですら時に遠慮しなければならなかったという
  相手こそ、この気骨ある貴族・藤原実資でした。


                                    脚色  江幡店長  出典『今昔物語集』

 

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