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 【平安の物語】盗人来タル!!名僧の妹もまた「名尼僧」と呼ばれたワケ

  『源氏物語』に登場する「横川僧都」のモデルと言われる僧・源信は、
  平安中期に登場し、後世の仏教界に絶大な影響を及ぼした人です。

  その妹もまた尼僧でしたが、この尼のもとへある時盗人の一味が入りました。
  もともと粗衣粗食を貫いてきた人で、庵には金目の物もなかったため、
  盗人たちは身の回りの物や衣を引きはがして逃げ去ったのでした。

  尼は仕方なく、紙でつくった粗末な夜具に身をくるみました。
  無一文になり、明日の食料もない身の上になったというのに、
  ところが彼女はいっこうに悲嘆するけはいもありません。

  平然と端座していつもの通りお経を読みはじめたのです。
  驚きあわてたのは彼女の取り巻きのほうでした──。

  ◇下女「尼様!尼様!!盗人がこの小袖を落としてゆきましたぞ。
          どうかそのようなお姿で修行などなされず、
          まずはこれをお召しください!!」

  ◆尼僧「一旦盗んだからには、盗人もこの小袖を自分のものと
          思っているでしょう。持ち主の了解もないのに、
          どうして私が着られましょうか」

  ◇下女「もとはと申せば尼様のお召し物ではございませぬか!!」

  ◆尼僧「なりませぬ。まだ盗人はそう遠くへ逃げてはおりますまい。
          すぐにお届けして差し上げなさい」

  下女は仕方なく盗人を追いかけ、「もうし!!これを落とされましたぞ」と
  呼び止めて丁重に小袖を手渡しました。
  驚いたのは盗人のほうです。

  追っ手が迫っているものと身構えていた彼らは、
  しばらく呆然と立ちすくんでしまいました。
  やがて顔を見合わせると──。

  ◇盗人A「ぬ…盗まれた品をわざわざ届けてよこすとは……」

  ◇盗人B「われら悪人とは言え、このような心根の主から
            物を盗むことなどできようか……」

  結局盗人たちは、盗んだ品をすべて返し、どこかへ去っていったのでした。
  これを聞いた人々は、さすがは源信上人の妹様だと口々に褒めそやす
  とともに、盗人の改心をも讃えたと伝えられています。


                                    脚色  江幡店長  出典『古今著聞集』

 

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